別居婚スタイルの違いとは？遠距離婚・週末婚・デュアルライフの選び方とメリット

結婚＝同居という価値観は、今や絶対ではありません。
仕事や家族の都合で「一緒に住めない事情」がある中で、それでも結婚という関係を大切にする夫婦が増えています。

なかでも、「遠距離婚」「週末婚」「デュアルライフ」などのスタイルは、夫婦それぞれの事情に応じて柔軟に選べる点が魅力です。

「一緒に暮らせないけど、結婚はしたい」
「仕事を続けながら、パートナーとの関係も大切にしたい」
そんな人にとって、別居婚は現実的で前向きな選択肢になり得ます。

このページでは、代表的な別居婚スタイルの特徴やメリット・デメリットを比較しながら、
自分たちにぴったりの形を見つけるためのヒントをご紹介します。

こちらもどうぞ 👉 別居婚のお金はいくらかかる？必要な生活費と年収のリアルを徹底解説

別居婚のスタイルは主に3つ

夫婦があえて「一緒に暮らさない」という選択をするとき、暮らし方にはいくつかのスタイルがあります。ここでは、代表的な別居婚スタイルである「遠距離婚」「週末婚」「デュアルライフ」の3つを紹介します。

遠距離婚｜お互いの拠点を維持しながら結婚生活を送る

遠距離婚は、夫婦が地理的に離れた場所で生活しながら結婚生活を続けるスタイルです。転勤・単身赴任・留学・実家のサポートなど、やむを得ない事情があるケースも多く、定期的に会うことで関係を維持します。

なお、遠距離恋愛を経て結婚に至った場合でも、無理に同居を選ばず別居婚という形をとるカップルもいます。詳しくは 👉 遠距離恋愛から結婚するなら別居婚という選択も をご覧ください。

週末婚｜平日は別々、週末だけ一緒に過ごす暮らし

週末婚は、平日はそれぞれの生活拠点で過ごし、週末にどちらかの家に集まって一緒に過ごすスタイルです。距離は比較的近く、移動の負担も少ないのが特徴です。

デュアルライフ｜2拠点生活を柔軟に行き来するスタイル

デュアルライフは、夫婦それぞれが2つの拠点を持ち、生活を行き来するスタイルです。最近では、テレワークやフリーランスの増加により選びやすくなっています。

どのスタイルが自分たちに合う？別居婚のメリットも再確認

別居婚スタイルを選ぶ背景には、価値観・キャリア・家庭事情など、さまざまな理由があります。ここでは「そもそも別居婚を選ぶメリットは？」という視点とともに、自分たちに合ったスタイルを見つけるための考え方を整理します。

なぜ今、別居婚が選ばれているのか

近年、夫婦のかたちはますます多様化しています。共働きが一般的になり、転勤・単身赴任・副業・親の介護など、「一緒に暮らしたくても暮らせない」現実に直面する夫婦も少なくありません。

また、家事や生活リズムのすれ違いがストレスになるケースもあり、「一緒に住むこと」そのものを見直す動きも出てきています。

そうした中で、別居婚は“無理に同居を目指さなくてもいい”パートナーシップの形として、じわじわと注目されています。

• 仕事の都合上、物理的に同居が難しい
• 生活スタイルや価値観の違いで、別々の空間が心地よい
• 結婚しても、お互いの時間や自立を尊重したい

「一緒に住んでいないのにうまくいくの？」という疑問はもっともですが、距離をとることでむしろ関係が良好に保たれる夫婦もたくさんいます。

スタイル別に見る「こんな人・こんな事情に合う別居婚」

別居婚スタイルは「こうしたいから選んだ」というよりも、「今の生活状況の中でこれが現実的だった」というケースが大半です。ここでは、それぞれのスタイルにどんな人・事情がフィットしやすいかを整理します。

遠距離婚が合う人・状況

• 転勤・単身赴任・留学などで地理的に離れて暮らさざるを得ない
• 親の介護や実家の事情で、地元を離れられない
• 結婚後も、それぞれのキャリアを中断したくない
• 将来的には同居を考えているが、今はその準備期間
  将来に向けて支え合う期間として、遠距離婚を選ぶ夫婦も多くいます。

週末婚が合う人・状況

• 比較的近距離で、週末には会える距離に住んでいる
• 平日は仕事やプライベートに集中したい
• 生活のリズムや空間は自分で保ちたいが、会う時間も大切にしたい
• 子どもがいない、または子育てが一段落している

デュアルライフが合う人・状況

• テレワークや自営業で拠点を行き来しやすい
• 地方と都市など、異なる環境での暮らしを楽しみたい
• どちらの家にも生活基盤がある（持ち家や地元など）
• 柔軟に拠点を使い分けながらも、夫婦としての距離は保ちたい

価値観・ライフスタイルから考える“私たちに合う形”

どのスタイルが合っているかを判断するには、「どんな暮らしが心地いいのか？」を夫婦で話し合うことが第一歩です。以下のような問いを通して、お互いの価値観をすり合わせてみましょう。

• 毎日一緒に過ごすことに安心を感じる？ それとも疲れる？
• 仕事と家庭、どちらを軸に暮らしを組み立てたい？
• 一人の時間は必要？ どのくらい必要？
• 将来的にどんなライフプランを描いている？

このような視点から見つめ直すことで、無理のない別居婚スタイルが見えてくるはずです。

ライフステージに応じてスタイルは“変えていい”

別居婚スタイルは、一度決めたら終わりではありません。むしろ、ライフステージごとに夫婦のニーズや負担が変わるからこそ、柔軟にスタイルを見直すことが大切です。

変わっていくことは、悪いことではありません。ふたりの関係が変化に合わせて成長している証でもあります。

👶 妊娠・出産期に必要な配慮

• 健診や入院へのサポート計画を立てておく
• 気持ちを共有する手紙・動画など非接触の工夫も◎

別居婚での妊娠・出産期をどう乗り越えたのか、実体験をまとめた記事もぜひ参考にしてみてください。👉 別居婚での妊娠・出産のリアル｜ひとりで迎えた出産体験記

🍼 育児期は“ふたりごと”を仕組みで支える

• 訪問頻度だけでなく、役割の可視化も大事
• 緊急時対応と、ふだんの心のケアを両立させる

🏕️ 子育て終了後は「自分らしい生活」へ再調整

• 定年・転職などを機に再び別居婚を選ぶ夫婦も
• 生活の自由と夫婦の絆を両立させる暮らし方を考える

まとめ｜別居婚スタイルは、変化に合わせて柔軟に選べばいい

日々離れて暮らしていても、夫婦の絆を深めることは十分に可能です。実際にどんな工夫をしているのか、👉 離れて暮らす夫婦が絆を育むために工夫していること もあわせてご覧ください。

• 別居婚スタイルには、遠距離婚・週末婚・デュアルライフがある
• 多くは「仕方なく」別居する現実に応じたスタイル
• ライフステージや価値観に応じて“変えていい”のが別居婚の柔軟さ
• ふたりにとって心地よい関係性を築くことが何より大切

別居婚には、遠距離婚・週末婚・デュアルライフなど、夫婦ごとの事情に応じたスタイルがあります。それぞれにメリットや課題はありますが、正解は一つではありません。大切なのは、今のふたりの状況に合ったスタイルを選び、必要があれば変えていく柔軟さを持つこと。

「離れていてもうまくいく」別居婚の秘訣は、お互いを思いやりながら、自分たちだけの関係を築いていく工夫にあります。

参考

• 内閣府｜男女共同参画白書（令和4年 特集：人生100年時代と結婚観）

• 国土交通省｜二地域居住（デュアルライフ）に関する最新動向